四月一五日(金)雨のち曇
六時起き、風雨、リアのドアをあけたら水筒が落ちて、蓋が割れてしまった。倒れないように別の荷物で囲む。ここまでよくがんばってくれた。ドアを開けるときは気をつけよう。
熊本の地震が気になる。故郷は大丈夫だろうか。川内には原発もあるが。
スープ、温野菜とチーズ、穀物の朝食。秋田市へ向かう。男鹿半島の海際も通るつもりだったが少し内陸を走っていた。八時半、道の駅あきた港。いかつい工業地帯に巨船、瓦礫の山、錆びた金属の風景、そして風力発電の風車群。風の強い中、一羽のカモメが片足で埠頭の端に止まっていた。風を受けてよろめきながら立っていた。もう一方の脚は見あたらなかった。怪我だろうか。それでもその身体に順応して、両足の者と同じ姿勢で止まって、海を眺めていた。強い風に倒れそうになると同時に飛び立っていった。不思議な印象を放つ一羽だった。
九時、秋田。本屋。一二時、買い出しのあと昼食を済ませ、コーヒー屋で記録をした。四時間半。
一七時半、買い出しその二。積み込んで出発した。もう暗くなっている。海岸沿いの夜道を走ろうと走っていたら、見当違いの道を進んでいた。真っ暗な道だった。建物が一切無いということが分かるような広大な農地の間も通った。何もないというのは怖いと思う。暗いとなお。意味を与えるとか読みとるという対象がないと生きていられないと思う。海の遭難では体力よりも精神面の衰弱が著しいという話があった。
関連する話で、「視聴覚を遮断してただ横になっているだけの状態を続ける」という実験があり、被験者には日給が支払われていたが、それでも大抵は一日で音を上げたということだった。
そんな暗い道に突然巨大な風力発電の風車が現れて、驚く。今朝も農道の途中に巨大な、三階立てほどもあろうかというなまはげの像が一対立っていたのを思い出した。夜でなくて良かった。
遠回りをしたが、無事目的地にたどり着いて夕食にした。火にムラがあって調理は困難だったが、温かいものが食べられるというのはありがたいことだった。
熊本の地震について少し調べた。