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日本一周 [ 39日目 ]

by nwain 旅, 旅日記, 旅日記日本一周, 日本一周on Posted on 2016年5月12日2023年6月2日

  五月一二日(木)快晴後曇

 四時半に起きる。岬の小高い丘の上へと続く階段を、駆け足に上っていく。もう空はだいぶ明るかった。上り終えるとここもまた絶景。南は絶海、北には峰が続き、東からすでに太陽が姿を現していた。周囲は丈の低い草花に覆われて、海からの風にさらさらとさわやかだ。陽の色はもう落ち着いていた。もう少し早ければと少々惜しまれる。南向きの展望台へ降りてみる。鐘の下がったモニュメントがあり、鳴らしてみると明朗な響きだった。いい景色だ。

 五時、寝具を干して朝食の支度。洗米浸水、その間は写真の整理、火にかけて焦げた香りがし出したら布でくるんで蒸らす。蒸らす間に肉と野菜を炒めて味付け、ご飯が炊ける頃には野菜の芯に火が通って、いい塩梅だ。産地や水の違いを感じるが、いい味だ。近くで鳥が鳴いていた。食後、レンズのクリーニングをした。昨夜の潮風を纏っていて、日光を乱反射していた。

 七時半、出発。伊豆の東海岸沿いを北上してゆく。本当に素晴らしい海風だった。なんて爽やかなのだろうか。窓から風と陽射しを取り込むと、あまりの心地良さに頬が緩んだ。白浜海岸は、砂の白さを受けて、浅瀬の海水が美しい水色を見せていた。近くに車を止め、近くで買った氷菓子をかじりながら風と陽射しを味わうと、もう夏が来てしまっていた。九時半から一一時まで、そんな心地よい海岸線の道を走って、道の駅で休憩。日が高くなると暑くなってくる。一二時半、湘南の浜、江ノ島、鎌倉を過ぎてゆく。平日にも関わらず浜は多くのサーファーや海水浴の人で賑やかだった。車の通りも多く、渋滞が続いた。一五時、ようやく渋滞を抜けて三浦半島を南下。アイスコーヒーで一息。三浦市に近づくと、緩やかな丘を登っていく。そしてキャベツ畑が見えてくると、丘の向こう側の、日当たりのいい斜面の農地が一面に広がった。低く広がっていく広大な農地、海からの風、空の青。写真を撮りながら進むと、海をわずかに隔てた南の土地へと続く大きな橋に差し掛かる。城ヶ島大橋。通行料は100円前後、夜間なら無料だそうだ。料金所で支払い、通行券をもらって進んだ。

 一六時。城ヶ島公園に到着。休憩後、夕食の下拵えを済ませた。一七時半、日の入りの近づく城ヶ島公園へと、カメラを二台と三脚を背負い、夜の寒さに備えて上着も用意して歩いていった。数年前の三が日に撮りに来たとき、公園の展望台から見事な夕陽が見られたので、この日も期待をしていた。そのときと同じ、第二展望台に上ってみる。二回立てほどの展望台だ。太陽を見てみると、冬の頃よりもだいぶ北寄りに沈むようで、南の海から遠い陸地に差し掛かっている。場所を変えよう。海岸沿いの散策路を進む。上空で、何羽もの鳶が、羽ばたきもせずに飛んでいた。藪の道を抜けると、海岸へと続く西向きの階段があった。太陽も山並みも雲が掛かっているが、まあまあ良い眺めだ。少し迷ったが、その中程から撮ることに決めて、三脚を用意してカメラを据えた。一〇数分待っていただろうか、陽が山際に近づくにつれて、一面に掛かっていた雲が去っていき、山並みの向こうにひときわ高くそびえる富士山のシルエットが現れた。そのすぐ真横で、太陽が大きく大きく光を弱めながら沈んでいった。それを追って、上限の月が深まる青色の空の高いところで輝き出す。お日さん、富士さん、お月さん。一枚に収まった。

 一九時、日の沈みきったころ、階段の上から何やら大荷物の男性が降りてきて、「富士山目当てですか?」と声を掛けられた。「夕陽のつもりだったのですが、見事に晴れて見えました」と返した。荷物の多さや時刻の遅さから、この人も写真を撮りに来たものとは思わなかったのだが、「微速度撮影」という写真を連続的に再生させる動画を撮影しにきたのだという。天の川を一晩中撮るということだ。自分も微速度撮影は経験があるのだが、最初にそれをやったのがこの城ヶ島だった。よい巡り合わせだ。それなら自分も天体を撮るついでに、また話を聞きにこようと一度車に戻った。

 浸しておいた米を炊き、いつもの野菜炒めと果物。何度食べても最高の味。二一時まで休憩をし、今度はカメラ一台と三脚、灯りを持って再び同じ浜に向かった。園内はまだ外灯があったが、海岸への散策路には全く灯りはない。暗がりの中、ランタンの灯りを頼りに進んだ。階段まで差し掛かって、もし先ほどの男性が撮影をしていたらと思い、灯りを消して進む。浜に降りてみると、アウトドア用の揺り椅子に腰掛けて海を眺めているその人がいた。どうやら急に曇りだして、撮影が始められるかどうか怪しいのだそうだ。雲が南から北の方へと動いていて、長く垂れ込めているのが夜目にも分かった。言葉を交わした後、自分も同じ浜で、西に傾く月と波にカメラを向ける。九〇分ほど撮って帰り際、また話をしたころもまだ雲が掛かっていた。その人はふつうの写真撮影(静止画)はあまりせず、動画の撮影が主だという。天体やキッチンでの調理の過程を撮影することが多いのだという。そんな人もいるのかと興味深かった。動画サイトに投稿したその方の動画を見せていただくと、とても見事な天の川が、日照運動の動きで、富士山を跨いでゆくという素晴らしい動画だった。自分も、先日撮ったばかりの和歌山県の天の川の写真をお見せし、場所を伝えた。そんな話をして別れると、一面に掛かっていた雲が見事に流れ去って、美しい星空が見られた。自分も階段の上で一〇数枚撮影して、なんだかいい巡り合わせだなとつくづく思いながら車に戻った。もう目が慣れて、月明かりだけで歩いて戻ることができた。

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旅,日本一周,日記

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