六月四日(土)雨
六時半起床。雨。七時半、近くの温泉へ。九時朝食。発芽玄米、鯖の味噌煮、絹豆腐、岩海苔、貝割れ、玉ねぎの薄切り、りんご。家で過ごしていても、これほど美味しい朝食は用意したことはなかったように思う。それにしても毎度最高の朝食なのだが、どういう訳だろうか。小雨になってきた。
一〇時半、コーヒー屋で四時間半。まだ水俣病資料館の記録が終わっていなかった。(かくいう今現在、もう六月一〇日。)一五時買い出し、一六時半、雨の中出発。行く宛も無かったので少し調べて見たところ、美々津という古い街並みの残る地区があるらしいので立ち寄ることにする。
一八時着。江戸時代末期から明治、大正の時代にかけての建物が残る、静かな港街だった。かつて神武天皇が、この日向の国から東征に発ったのがこの町なのだそうだ。海軍発祥の地ということにもなるというので、大きな石碑と両爪の碇が、港の入り口に据えられていた。その西側すぐのところにずいぶんと古風な神社があった。苔蒸した大木、神武天皇の腰掛けたという岩、石造りの鳥居が二つ。雨の良く似合う場所だった。蟹の姿も。
日の暮れてゆく街中を撮り歩く。釣瓶の残る井戸端に紫陽花、ポンプ式の水場も複数。木枠の格子が面構えの古い家々。蔦が張り、打ち捨てられた家もあった。どこからかピアノの練習の音が聞こえる。町を行く人も僅かでとても静かだったが、印象的な町だった。
一九時半出発。延岡の街の外れにあった広大な広場で夕食。